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変わる民法、相続の問題……リバースモーゲージで発想を転換

リバースモーゲージ 民法
「核家族化」と言われて久しい今日。
高度成長期から核家族化は進み、厚生労働省が2018年7月20日に発表した「国民生活基礎調査の概要」では、核家族総数の割合が2017年には60.7%に増加。単独世帯も27.0%に増加しています。三世代世帯に至っては1986年に15.3%だったものが、2017年には5.8%にまで減少しており、「将来は親と同居しない」と考えるご家族が増え続けている現状がわかります。

そしてお子さまが家を出て行かれた後は、高齢のご夫婦のみで生活をすることになりますが、配偶者に先立たれた場合、現行民法では自宅を相続すると残された方の生活費に不安が生じる問題が顕在化しています。

実はそのような問題に対応するため、2022年に現行民法の改正が予定されています。
新しい民法下では配偶者に先立たれた方を保護する方向で改正が予定されていますが、それでも老後の単独世帯にとって資金の不安は残ります。

そこで今回は、
・現行民法における夫に先立たれた妻の相続問題
・新民法下でも残された配偶者の生活は厳しくなる
・自宅を活用するリバースモーゲージで老後生活を豊かに
といった点について分かりやすく説明いたします。

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■現行民法には配偶者の相続時に多くの問題がある
■新民法下でも引き続き年金額は確実に減ってしまう問題は残る
■自宅を活用して資金を確保するリバースモーゲージが相続の問題を解決
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リバースモーゲージ 民法

現行民法には配偶者の相続時に多くの問題がある

●配偶者への相続の一般的なケース
現行民法の問題点を理解するために、一般的な例を紹介します。
・自宅として住んでいた住宅2,000万円
・預金を含めた金融資産3,000万円
合計5,000万円の相続財産を、夫に先立たれた妻と子供A・Bが相続する場合を考えてみます。

法定相続分は配偶者1/2、子供1/2(今回の場合はそれをさらに2人で分けるので、1人あたりは1/4)なので、
・妻(2,000万円+3,000万円)×1/2=2500万円
・子供A・B(2,000万円+3,000万円)×1/2×1/2=1,250万円
となります。

●配偶者に先立たれた後も自宅に住み続ける場合、生活費に不安が生じる
残された妻が住み慣れた自宅にそのまま住み続けたいと希望した場合、「住宅2,000万円」を相続するので、「預金を含めた金融資産は500万円分しか相続できない」ことになります。

配偶者に先立たれた妻としては、今まで住み慣れた家にそのまま安心して住み続けたいと考えて自宅を相続したはずが、「老後の生活費が足りない」という不安を抱えながら生活をしていくことになります。

これが現行民法の抱えている問題です。

●2022年の民法改正で新設される「配偶者居住権」
この問題を改善するために、2022年の民法改正では「配偶者居住権」が新設されることになりました。
賃借権のように「配偶者が住宅に住み続けられる権利」が発生して、それを相続できることになったのです。所有権と違って「住み続けられる権利」なので、相続財産として評価される額は低くなります。
さまざまな条件によって評価額は変わってきますが、仮に所有権の半額の1,000万円とすると先述の例の場合、

・(妻)配偶者居住権1,000万円+預金を含めた金融資産1,500万円=2,500万円

という形になります(住宅の所有権1,000万円は子供が相続する)。
妻としては住宅に住み続けられる上に、預金の相続が増えるわけです。

ただ、この民法改正だけで老後の生活が安泰になるわけではありません。
なぜなら配偶者に先立たれると「受け取ることのできる年金額が減ってしまう」という問題はまだ残ったままなのです。
(参照:法制審議会民法(相続関係)部会 第15回会議(平成28年11月22日)参考資料10より)

新民法下でも引き続き年金額は確実に減ってしまう問題は残る

基本的に65歳から受給できる老齢年金(※1)。
配偶者が会社員だった場合は、老齢基礎年金+老齢厚生年金の2階建てとなります。夫婦2人分の老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金を受け取ることができるわけです。

ところが、核家族化や単独世帯が増える現代において、配偶者がお亡くなりになるということは、すなわち単独世帯になることにつながる場合が多いでしょう。

配偶者の夫が亡くなると、まず老齢基礎年金が1人分に減ります。そしてさらに老齢厚生年金部分が3/4に減額されてしまうのです。
配偶者が自営業者だった場合はさらに厳しく、老齢年金として受け取ることができるのは老齢基礎年金だけです。つまり元々夫婦2人分の老齢基礎年金しか受け取ることはできません。その上配偶者が亡くなると、それが1人分になってしまうのです。
総務省統計局の家計調査報告(2017年度)によると、自営業者だった夫に先立たれた妻(60歳以上の高齢単身無職世帯)の生活収支は、「月々40,715円の赤字」という統計結果が出ています。
そのため、安心して老後生活を送るためには、やはり資金対策を考えておく必要があります。

※1:男性は昭和36年3月生まれまでの方・女性は昭和41年3月生まれまでの方は65歳より前に段階的に特別支給の老齢厚生年金を受給できる場合があります。
(参照:総務省統計局 家計調査報告 2017年度)
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自宅を活用して資金を確保するリバースモーゲージが相続の問題を解決

核家族化が進み、単独世帯が増え続けるなか、超高齢社会の進行する日本において相続の抱える課題は大きいといえます。特に現行民法の抱える課題は顕在化していますし、たとえ新民法下で、「配偶者居住権」が新設されて状況が改善されても、単独世帯では年金収入が減少するため、老後の生活資金が不足するケースが多いと考えられます。

また相続することのできる預金を含めた金融資産があっても、バリアフリー化のための自宅リフォームや老人介護施設への入居費用などのことを考えると、可能な限り手を付けずにおきたいと考える方もいるでしょう。

そんな老後の生活資金不足の不安を解決する方法として、リバースモーゲージが注目されています。
リバースモーゲージとは自己名義の自宅を担保として金融機関から融資を受ける制度です。
自宅の所有権は自分の名義のままなので、住み慣れた我が家に今までどおり住み続けることができます。
また月々の返済は利息分のみで、元本については契約終了時(通常は契約者がお亡くなりになったとき)に一括返済するので、月々の多額の返済に頭を悩ませることもありません。

相続で問題となっていた自宅を活用して、悠々自適で豊かな老後生活を実現するリバースモーゲージ。老後の資金確保の選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。


【出典元】
平成29年 国民生活基礎調査の概要 厚生労働省
法制審議会民法(相続関係)部会 第15回会議(平成28年11月22日)参考資料10
総務省統計局 家計調査報告 2017年度

★こちらの記事もあわせてお読みください。
配偶者の相続に配慮した民法改正。
URL:https://www.tokyostarbank.co.jp/education/asset/20181129_1.html

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